約束の宝箱(三日目・夜)

「狐の社で」をプレイし、ほのぼのあったかしたところ、時間はまだ宵の口でした。もう1本できるなあ、と話していたところ、黒猫夜君に「よし、次はキミが語り手をやるんだw」と言われたので、「じゃあ、風呂でシナリオを考えてくる。15分くれ。」と快諾。

冷静に考えたら15分でシナリオ考えるって無茶苦茶だよな、と思いつつ、意外によい出来だったと思います。さすが「ゆうやけこやけ」。大事なのは、ノリと直感だね。


さっきまで見物していたメンバーを加え、何とPLが6人という状況で発進。

今回は舞台にちょっとアレンジを加え、一名町の隣にとても仲の良い二名町という町があることにしました。シナリオ概要はこんな感じ

へんげ達が鈴音と仲良くなってから、夏が過ぎて秋に差し掛かった頃。9月は一名町と二名町のへんげ達にとって、大きな祭典の月です。二つの町のへんげ達が球技、美術、大食い・早食いを競う、3つの大会が催されることになっているのでした。毎年、へんげ達は相手の町の連中には負けまいと、この大会に向けて練習に余念がありません。大会の後には、お互いの健闘を称え二つの町が仲良く宴をして閉会となっています。それはもう、みんな楽しみで仕様がありません。

しかし、突然、へんげ達用の掲示板に張り出された告知をみて、へんげ達は驚きます。


9月の催し、全部取りやめ。


一体、二つの町に何があったというのでしょう……?



突然の催しの中止にがっかりするPC達。中止の原因は、どうやら一名町のへんげを仕切る狸の翁と、二名町を仕切る狐の翁の喧嘩にあるらしい。中止になった大会を開催させるため、何とか二人を仲直りさせよう、というのがシナリオの目的。

喧嘩の原因は、二人が先日将棋の対局をしたときに「待った」「待たない」でもめたことと判明。本当はとても仲が良いのだが、お互いどうしようもなく意地っ張りで、仲直りは一筋縄ではいかない。いずれ仲は元に戻るだろうけど、早くしないと大会の予定日が来てしまう。

お互い仲直りしたいのは間違いないのだから、相手に仲直りの意思があることをお互いに伝えることが出来ればよい、と語り手から指針をPC達に示す。しかし、意地っ張りの狐狸の翁は決してそんなことを口にしようとはしない。それを聞いて一計を案じるへんげ達。

夜半、お互いの寝所に忍び込み、相手の翁が仲直りしたいと打ち明ける夢を見せるというもの*1。猫の《すりすり》で「おとな」を0にし、確実に《おつげ》を成功させるという連携プレイで、お互いの翁の意地の壁を打ち壊すへんげ達。この案は、とても良かったです。

翌朝、二人の翁はへんげ達を呼び、相手にメッセージを送るよう頼む。しかし、恥ずかしいのか何なのか、そのメッセージは妙な暗号になっていて、そのままでは相手に伝わりそうにない。メッセージを受け取ったPC達は、翁の素直じゃない態度に呆れつつも、暗号を解くことに。

即興で作ったギミックを用いて、少し暗号遊び。狸の翁は「た」抜き言葉の簡単な暗号。一方、狐の翁の暗号は、イベントを発生させなければ解けないものを用意。こういう仕掛けをするのも楽しいかもしれない。

土地神様の知恵を借りて、狐の翁の暗号が駄菓子屋のお婆ちゃんを示していることを突き止めるPC達。そのお婆ちゃん、小さい頃から狐狸の翁と仲良しで、二人の仲直りの方法を知っている人物。お婆ちゃんの案内により、二つの町の中間にある地蔵様のところへ。地蔵様の裏手に何か土が掘り返された跡を発見。

お地蔵様の裏手から見つかったのは、古びたお菓子の缶。それは、お婆ちゃんが小さい頃に、仲が良かった狐狸の翁達が埋めたメンコやビー玉、ベーゴマ。

一緒に遊んだ宝物、友達の証。二人が喧嘩をしたときは、これを思い出して、必ず仲直りをしようと誓った……約束の宝箱。



夕暮れ時、偶然か必然か、仏頂面でお地蔵様のところに現れる狐狸の翁達。へんげ達の見守る中、お互いのメッセージを確かに受け取った二人は、素直じゃないながらも仲直り。即興で、つくったシナリオなのに、何かすごくいいシーンに。PC達の演出も素晴らしかったです。思わず感動してしまった。言葉で上手く伝えられないのが、歯がゆいなぁ。

そうしてED。結局、大会は中止撤回で、無事開かれました。宴を楽しみつつ、今回の一件から、絆の大切さを実感するへんげ達。ずっと仲良く、もっと仲良く……あの素直でないながらも、心のどこかで繋がってる、狐狸の翁とお婆ちゃんの様に……


そんな感じで終了。いや、「ゆうやけこやけ」、ほんと凄いですよ、これは。

ファンになりそうだ。と、いうわけで、機会があれば例会かなんかで、立てようかな。


恥ずかしいセリフ禁止ー!、とか言わないで、まずはどうぞお試しあれ。

*1:狐の《おつげ》