GoBキャンペーン第四話「黄金杯の消失」(公式、ネタバレ)

さて、GoBキャンペーンもいよいよ佳境。シナリオフックでの最終話です。

例によって大分とオリジナル要素を追加していますが、公式なのでネタバレ注意です。


ここより、ネタバレ注意。


では、例の如くキャラ紹介を。今回アルカナを変えたり、戻したり、並びを変更したり、いろいろ衣替えがありましたね。

”剣豪”フリードリヒ・シュローダー(ディアボロス=アルドール=アダマス、21歳、♂)

PLはcielx先輩。前回の師匠の死で、何かを学び取ったか、キャンペーン開始時に比べると随分角が取れたように思います。人柄が良くなる反面、データは順調に凶悪度を増して行っておりますが。今回、容赦のない《苦痛体性》のレベルアップにより、HPが何か80とか妙な値に……

シェロ(エフェクトス=アクシス=エフェクトス、28歳、♂)

PLはto-yaF先輩。エフェクトス・レクトスの時代は終わり、とうとうアクシスに手を伸ばされました。前回の一件から3年、ヴィンス公国の宮廷魔術師としてリエッタを支えることになったようです。今回は、前回EDの衝撃映像が若干トラウマになっているロールが印象的でしたね。

”聖伯”セラフィルシア・フィルスミーニア(ディアボロス=コロナ=アダマス、45歳、♀)

PLはs/t先輩。キャンペーンも四話目ということで、存在格を増したようです。今回、何やら彼女に恨みを持つ絡みキャラがエキストラなのを良い事に、OPから絶人ロールが光っておりました*1

最後の、三王会戦開戦の時の騎士団への鼓舞は、何かもう圧巻でした。

”彷徨える魔女”スフィー(フィニス=オービス=ウェントス、1048歳、♀)

PLはyakusi先輩。前回の死からオービス、ウェントスを戻して復活。いよいよキャンペーンも佳境ということで、ルートヴィッヒとの関係もスッキリさせた様子。見事な宣戦布告でした*2

データ的には、《正義》《太陽》などでこちらに多大なペナルティを与えてくる形に。魔剣使いのエルネストにとっては、天敵のような攻撃でした……

ヴァネッサ・フォルテン(アングルス=フルキフェル=アルドール、20歳、♀)

PLはkarasawa君。長き旅の末に、ようやくケルバーに到着。旅の目的は、キャンペーン開始時とは変わってるけど、とりあえずおめでとう。

今回、アングルスを戻しパーティ唯一の∵天真∵が復活。


  • 舞台は前回から3年経った、1069年。三王会戦直前のケルバー。カール軍のケルバーの通行許可を巡り、催された会談で起こる事件の真相を追う話。いよいよ黄金杯が歴史の表舞台から姿を消します。
  • オープニング。最初にエルネストの回想シーンを入れる。エルネストがカールに心酔する動機はシナリオフックに明記されていなかったので*3GMオリジナルのエルネスト像を演出。GM的には、今回、一番やりたかったシーン。
  • フリードはカール軍の南進を耳にし、因縁の相手であるエルネストと見えるためにケルバーへと赴く。そこで再会したヒルダに会談での警護役を依頼される。ここでのヒルダのやりとりを見ていると、本当にフリードは柔軟になったなぁと思った。
  • シェロは、ヴィンス公国の名代としてケルバーを訪れていた際に、これまたヒルダに警護役を依頼される。リエッタからカール軍の大将エルネストの動向に注意するように言われていたこともあって、シェロはこれを承諾。
  • セラフは回想から導入。数年前、モッテという少女に暗殺されかけたところ、これを余裕で退け、まだ幼い彼女を赦免する。憎悪剥き出しの捨て台詞を残してモッテ退場。モッテの秘められた背景とセラフの参加アクトがいい感じにマッチングして、モッテの殺害動機が急上昇。
    どういうことかというと、このモッテという少女、BoAの付属シナリオ2本目「王都への道」に登場する殺戮者を慕っていた暗殺一族の娘。”蜘蛛”と呼ばれた男の死により、自分達を利用したフォーゲルヴァイデ一族に恨みを抱いているのです。当然、「王都への道」に参加したセラフにも……。いや、刻まれし者というのは何気なく罪深い生き物ですね。
  • スフィーは3年の時を経て、黄泉の世界より復活。ケルバーの領主リザベートが探しているとの知らせを受け、友人である*4彼女の元へ。そこで、リザベートから会談の警護役を依頼される。友人の頼み、何よりカール陣営にルートヴィッヒがいることから、これを承諾。
  • ヴァネッサは、ついに念願のケルバーへと到着。ここで、PLとGMとの間でキャラの内面の認識に少々齟齬が発生していて、少し焦る。もう少し、事前にしっかり確認すべきだったな……
    ヴァネッサがケルバーを歩いているところ、ノエルが登場し彼女に挨拶*5。彼女の腕を見込んで、警護役を依頼する。
  • 時間を掛けるのも何なので、展開ステージの最初でPC達は全員合流。全員、警護役としての導入*6なので、ここはスムーズに合流完了。
  • そして、ヒルダ達とカール一世達の会談。険悪な空気の流れる会談で、杯を口にしたカール一世が急に苦しみだす。カールの杯には毒が盛られていた。これにより会談は急遽中止となり、カール一世の暗殺事件がケルバーを震撼させることになる。
  • 結局、この暗殺事件はカール側の陰謀だったのだが、毒が強すぎてカール一世は本当に死の淵に追いやられてしまう。エルネストはこれに本気で慌てたが、ルートヴィッヒの処置により事なきを得る。カール一世の暗殺という自作自演だったのだが、どうやら手違いがあったようだ。
  • カール一世は本当に死に掛けてしまうという問題があったものの、これを利用しカール側はウニオン側の落ち度を糾弾。犯人捜索のため、兵士をケルバーに入場させろと迫る。ヒルダとリザベートが言い負かされてしまったということで、セラフが代わりに矢面に立つ。セラフとエルネストとの妥協点の探りあいの末、カール軍の半数がケルバーに入り込むことに。
  • 一気に物々しい雰囲気に包まれるケルバー。事態はどんどんウニオンに不利になってゆく。とにかく真犯人を見つけ出し、ウニオン側の潔白を証明しなければならない。PC達の犯人探しが始まる。
  • 犯人の居場所が判明すると一気にクライマックスに雪崩れ込むので、その前にPC達にやりたいシーンを演出してもらうことに。シェロとセラフとの会話とか、スフィーとエルネストの知られざる因縁とか、フリードとエルネストとの会話とか、スフィーがルートヴィッヒに臆さず堂々と宣戦布告とか、実に深みのあるシーンが連続。皆さん、素晴らしいです。
  • クライマックス前。エルネストが乗り込んできて、∵紋章∵を使用。フリードを犯人に仕立て上げて、問答無用でカール陣営に連れて行こうとする。ここで∵紋章∵を打ち消さないと、逆らうことが出来ないままフリードが即日処刑されてしまう。
  • セラフが∵紋章∵でエルネストの奇跡の効果を打ち消し、明朝まで真犯人を探す猶予を得ることに*7。エルネストは去り、ケルバーの城の時計台の鐘が夜の始まりを告げる。ここで、鐘の音が普段と違うことに気づくPC達。
  • 時計台にはモッテが隠れていた。精巧な時計台の機械部分に彼女がいたため、音が普段と違っていたのだ。彼女はエルネストの命を受け、カール一世の杯に微量の毒を盛る予定だった。だが、フォーゲルヴァイデ家への憎悪が彼女を暴走させ、致死量の毒を盛ってしまったため、カール一世は本当に死に掛けることとなった。(エルネストは彼女の憎悪を見切れなかった)
  • ここで、”蜘蛛”とモッテの回想シーンを挿入し、”蜘蛛”の「実はいいやつ」的演出をするのだが……皆、笑いすぎ。
    何でさ、”蜘蛛”は実は渋いいい奴だったんだよ!聖痕だって、望んで手にいれた力じゃなかったんだよ!ちょっと長く生き過ぎちゃっただけなんだよ!

    …………いや、マジで笑う所じゃなかったんだけどなぁ…………”蜘蛛”とモッテのエピソードを真面目に考えてきた身としては、若干複雑な気分でした。
  • 時計台に乗り込むPC達。シーンプレイヤーは、もちろん因縁持ちのセラフ。モッテの説得シーンです。
    自分への憎悪を抱えた相手を如何にして説得するかな、と、少し期待しながら演出してみたのですが、そこは流石にセラフ、見事な包容力でした。ま、何と言うか、回想シーンは少し笑いに飲まれてしまったので、(その反動という訳ではないですが)モッテの悲しみは一気に爆発させる感じで演出。シナリオプロット通りの動機とはいえ、フォーゲルヴァイデ家皆殺しまで思いつめるって、この娘よっぽど”蜘蛛”のこと慕ってたんだなぁ。
  • 一話目のニザラ・カーディスといい、今回の”蜘蛛”といい、今度からPLやるときは相手の殺戮者の背景に(勝手に)思いを馳せながら戦闘することにしよう。
  • そして、明朝。再びやってきたエルネストに対峙するPC達。真犯人のモッテが、事の顛末を全て暴露し、エルネストは逆に窮地に追い込まれる。ついに言い逃れが出来なくなったエルネストは、前王から賜った魔剣を抜き、実力行使に出ることに。殺戮者の本性を露わにし、PC達に襲い掛かる。
  • 戦闘開始。GoBのデータに聖痕と魔印などを追加した強化版エルネストと、ノエルからの奇跡支援を加えたPC。最初はPC側のデータを鑑みて結構強めに設定したのだけど、これが何とダイス目でクリティカルを連発&PC側に判定の失敗が重なるという事態が発生。エルネストの魔剣は決して弱いわけは無いのだが、PC側の防御性能が高く、「エルネストの攻撃→PC殺せず」「PCの攻撃→エルネストに当たらず」という長期戦に……。
    4ラウンドに及ぶ死闘の果てに、ついにエルネスト撃沈。
  • 膝をつくエルネスト。そこに、ルートヴィッヒが黄金杯を持って現れる。死の際に、3つ目の願いで命を救ってもらおうとするエルネスト。しかし、それをルートヴィッヒは拒否。
    曰く、「3つ目の願いは『毒に斃れたカールの命を救う』ために、既に使われてしまった」という。……結局、最後まで黄金杯の掌の上だった。
  • 絶望にまみれるエルネストに、呪われた宿命が襲い掛かる。「契約者は死後に黄金杯の騎士として杯の奴隷となる」という約束により、エルネストの魂は杯に飲み込まれる。
  • そして、ED。黄金杯は姿を消し、いよいよ三王会戦が開かれる……といったところで、アクト終了。


いよいよ、次回は完全オリジナルの最終話。ずっとやりたかった三王会戦の話です。

無事に、終わるといいなー

*1:蒼天航路関羽の如く

*2:正直、スフィーが堕ちたら面白かっただろうなぁ……という外道なことを少し考えたのは秘密

*3:いや、書かれてはいたけれど、どうもカールに忠誠を誓うにはインパクトが薄かったので

*4:忘れえぬ人々》って素晴らしいな、本当。

*5:言うまでもないが、2話の時点で面識がある

*6:厳密に言うならセラフは警備担当ではないが

*7:要するに、クライマックスに移行するイベントを、エルネストの∵紋章∵を打ち消すことで得ることができる