堕ちた翼

参加人数2〜3と、意図的な小規模シナリオに構成したおかげか、PLが2人で立つことができましたw

PC②枠に特殊なルールを設定し、一風変わった導入にしてみましたが、話的には予定通りシリアスな悲恋劇に相成りました。PLに恵まれたというのもありますね。

夕べ即興で作り上げた割には、全体的に成功しまして、細かい部分などをちょちょっと修正、加筆しております。個人的に気に入った作品となったので、また機会があれば立てようかなーなどと密かに思っています。


と、いうことで、今回のレポはネタバレ部分を下の方に追いやっています。

プレアクト情報はこちら。軽めのシナリオなので、参加に興味のある方はネタバレ割愛で。何かの機会に名乗りを上げたときに来てくださると、もうとても喜んだりしますm(_ _)m


ま、興味はあるけど、参加するのとは話が別じゃ、という方はいつも通りプレイレポを↓に用意してございます。




以下、ネタバレレポ。


今回はPLが2人という小規模シナリオでございましたー。キャラは、こんな感じ。

メルヒナ(フルキフェル=アクシス=ファンタスマ、?歳、♀)
PLはs/t先輩。PC②枠の白鳥人。尚、予定された導入の通り、完全な闇の眷属であります。

鳥人であり、実年齢は不詳。見た目は10代の幼い少女。魔術師として人間界に潜り込み、一見すると天慧院かどこかの魔術学府の学生に見える。本性は、ヴェルンフラム城で多くの姉妹達に慕われ、父アーグリフの覚えも良い格の高い白鳥人。しかし、父であるアーグリフを前にしても、どこか内面の読めないミステリアスなキャラとなっている。

実は、内輪でやっているs/t先輩のブレカナキャンペーンの黒幕的人物で、後にグュクに伴い地上で様々な暗躍をするのだが、それはまた別の話。

《アーグリフの花押》の他、魔印は《消散の印》《転生の印》《否定の印》と無難に選択、所持。敵に対しては容赦なくバッドステータスを貼り付けてくる、支援系連続魔法使い。

アレックス・シュナイダー(グラディウス=ディアボロス=クレアータ、56歳、♂)
PC③枠の老戦士。この時代、戦場渡り歩いて50代まで生きるって、すごいよね。

昔、自らの身体を悪のデクストラに改造され、クレアータとなる。旅の果てに、そのデクストラを倒し、その後は改造人間としてハイデルランドを放浪し悪と戦い続けているらしい。齢50をゆうに越えているのも関わらず、その戦闘能力はまさに圧巻。

クレアータ装備の牙突針で《剣槍》をしてくる〈軽武器〉使い。「こんなのしかできませんよ」といいつつ、見せてくれた激渋の老戦士ロールは、メチャカッコよかったです。

想定していたのは、PC①とヒロインNPCであるファナとの悲劇的恋愛物だったのですが、どうもアレックスのPLがブレカナ経験が少なく、またガチな恋愛ロールが不安だという。s/t先輩の提言もあって、PC③枠に移って楽にプレイしてもらうことになりました。*1



個人的に白鳥人枠はどうしてもいて欲しかったので、PC①枠を村人の若者(エキストラ)にしてしまうという変化球を使い、シナリオを若干リニューアル。しかし、この苦肉の策にも思えた改変が、意外とハマリ。可能性ってのは、どこに転がってるか分かりませんねw

結果、PC①枠を切って、PC②とPC③枠で発進と相成りました。

  • PC②の導入ステージ。可愛がっていた妹のファナが居なくなり、そのことで常日頃「落ちこぼれ」とファナを苛めていた姉妹達を問い詰めるメルヒナ。悪いお姉さん全開で、姉妹達に脅しをかけるメルヒナ。とうとう耐えられなくなり、ファナを追い出したことを白状する姉妹グループ
    その動機は、落ちこぼれのファナが自分達のメルヒナ「お姉様」に寵愛を受けていることに嫉妬したから、というもの。このGMの仕掛けに一時頭を抱えるメルヒナの中の人。しばし後、開き直り、悪全開でメルヒナを演じるs/t先輩。
    この演出、PLじゃなくてマスターですることじゃん!」とのお言葉。いや、ごもっとも。でも、そういうコンセプトなんだもの、気にしない、気にしない。
  • PC③の導入ステージ。剛斧使いの巨漢、ランゼバッハと刃を交えたときの回想シーン。ランゼバッハは初っ端から駄目気な戦闘狂演出。それに対し、激渋ロールで対抗するアレックス。いきなり、アレックスに、格の違いを見せ付けられる。剛斧を振るいながら、汚い暴言を吐きまくるランゼバッハ。その攻撃をいなしつつ、冷静に語るアレックス。何か、もう、この時点で勝てそうにありませんw
    結局、決着はつかず、捨て台詞を吐いて退場するランゼバッハ。そこで、回想は終わり、10年後の1060年へ。ランゼバッハの噂を聞き、片田舎の村リムクォートへと向かうアレックス。
  • PC①がいないため、本来PLと行うはずだった恋愛ロールを、マスターシーンで一人芝居。ここは、まあ、ファナが村の男(ちなみに、名をパウル・コッパーという)に惚れていることをしっかり演出できるように心がけました。
  • リムクォートの村で強敵ランゼバッハと対面するアレックス。一方、城から放逐されたファナと再会するメルヒナ。お互いに因縁を持つキャラと対面し、しばし会話。ここで、アレックスの激渋老戦士ロールと、メルヒナのお姉さんロールが光っていたなぁ。特に、白鳥人の姉として、ファナを穏やかに冷静に諭してくれるメルヒナ。素敵です。
  • そうしているうちに、ファナ、ランゼバッハ、ファナの想い人パウル、PCを全員合流させ、シナリオのキーキャラによる対面シーン。いろいろと複雑な感じでセリフが交錯しましたが、まあ……
    ・ランゼバッハがファナを辱めるような暴言&パウルに暴力
    ・2m超の巨漢に対し、対抗したくても対抗できないヘタレなパウル
    パウルを庇いつつも、何か知らないがランゼバッハに逆らえない感じのファナ
    ・挙句、ランゼバッハが「ファナのご主人様」を自称

    という感じで進めました。この後、この妙な人間関係を情報収集するということで、ランゼバッハを誘い共に宿へ向かう白鳥人メルヒナと、殴られたパウルを介抱するファナとアレックス、という感じで二手に分かれる。
  • 情報収集シーンその1。ランゼバッハを誘惑し、宿屋で(少年誌では検閲)的な〈交渉〉*2を試みるメルヒナ。
    その結果、ランゼバッハはたまたま白鳥人の伝承を知っており、地上に降りたファナを無理やり自分の伴侶としたことが判明。無理やりとはいえファナの伴侶となったランゼバッハが、果たして亡霊戦士の列に加わるにふさわしいかどうかを見極めようとするメルヒナ*3
  • 情報収集シーンその2。村の診療所で、ランゼバッハに受けた傷を治療するパウル。付き添っていたアレックスは、ファナとパウルが互いに想いあっていること、ランゼバッハにファナが逆らえないこと、等を聞き出す。ここでアレックスは、二人に対しランゼバッハの暴虐を止めることを約束。シーンの最後にはメルヒナも登場し、ここでランゼバッハに敵対する構図が出来上がる。
  • クライマックス前。メルヒナはファナに対し、パウルを諦め城へ戻るよう説得。白鳥人の存在が如何なるものかということをファナに説くも、ファナはパウルを諦めきれない。結果、メルヒナの説得を受けつつも、ファナはメルヒナに別れを告げる。
  • 一方、アレックスは、無力に打ちひしがれるパウルを導くシーンを演出。パウルに自らの剣を託し、想い人のために勇気を持つことを教える。まったく、素晴らしい師匠ロールですよ。いや、ほんとにPC③枠でよかった。PC①がこんなに悟ってたら、ファナの方があたふたしてたところだw
  • そして、クライマックス。戦闘狂で何かネジの飛んでるランゼバッハは、村を去る行きがけの駄賃として、∵紋章∵で村をしっちゃかめっちゃかにしようとする。まあ、この[悪徳]はメルヒナの《消散の印》で打ち消し。PC達はランゼバッハの挑発するような声を追い、湖のほうへ。
  • 戦闘開始。敵はランゼバッハ一体。メルヒナのバッドステータス魔法が強力に効果を発揮し、ランゼバッハはサンドバッグ状態に*4。しかし、さすがにランゼバッハのアルドール的火力により、そこそこいい所までは持っていく。しかし最終的には、奇跡の切れたランゼバッハに、アレックスの∵死神の手∵を乗せた一撃が与えられ戦闘終了。
    ここで∵死神の手∵の演出として、パウルがとどめを刺すという具合にしたのは、いいと思いました。パウルに剣を渡すという伏線を上手く張り、パウルのキャラを立てましたね。
  • エンディング直前。データ的には[昏倒]しているランゼバッハが、ファナから《偽りの生の印》を奪い取り、ファナを人質に取って逃げようとするが……。
  • ……ラストの演出は、ファナの心理も相まって若干複雑になるので、割愛。結果だけいうと、最初に明言していた通り、悲劇的なラストとなりました。PCも含めて、各々思うところを残すようにしたまま個別EDへ。こういった、問答無用な悲劇的展開は、やはり最初に明言してこそだろうなぁ……。鬱展開になりますよ、と事前に言っておけば、ある程度PLの皆さんにも覚悟を持って参加してもらえるようです。


全体的には、先に述べたとおり、想定通りの自分好みのシリアスシナリオになりました。もちろん、PLの皆さんの演出もあってこそですけどね。

不思議なルールで作ってもらったPC②枠ですが、本来GMがやるようなアーグリフサイドの白鳥人をPC側として演出してもらう、というチャレンジ的な目論見は、s/t先輩のおかげもあって個人的には成功したように思えますね。

まあ、こういう斬新な(悪く言えば奇をてらった)シナリオが成功したときは、仕掛け人としては嬉しい限りであります。何より、個人的に気に入ったシナリオに出来上がりましたし、PC①枠を切っても稼動するという可能性も見せてもらいました。いや、意外にいろいろ学ぶところの多いシナリオで、大変勉強になりました。

参加してくださったPLのお二方に感謝しつつ、またできたらいいなー、とか思ってみますw

*1:結果的に、これがとても良い選択となる

*2:ダイスボーナス+1をあげた

*3:ま、結果は不合格

*4:捕縛+放心+麻痺、の三重コンボ